OASの低さは企業金融の落ち着きを示す
投資適格OASは0.81%、ハイイールドOASは2.83%である。低格付け側まで大きく開いていないことは、企業金融が急に閉じる局面を市場がまだ中心に置いていないことを示す。
株式市場が強い時でも、信用スプレッドが開いていれば前提は弱い。今回は、株式の楽観だけでなく、信用市場側でも強い警戒はまだ出ていない。
金融環境指数はスプレッド悪化の広がりを見る道具になる
NFCIは-0.518、St. Louis金融ストレス指数は-0.678だった。指数が大きく上がっていない間、信用スプレッドの小さな変化は市場全体のストレスには広がりにくい。
2枚目ではNFCIと金融ストレス指数を左右軸で分けた。水準の定義が異なるため、同じ軸に置くより、同時に上がるかどうかを見る方が意味がある。
弱点はハイイールドから金融環境へ広がる経路にある
信用不安が本格化する時は、まずハイイールドOASが動き、次に投資適格OAS、銀行貸出、金融環境指数へ波及しやすい。ハイイールドだけで止まるなら市場は消化できるが、金融環境指数まで上がると資金制約の読みが強まる。
この順番を見れば、単なるリスク回避と信用収縮を分けられる。
確認する数字はOAS、NFCI、社債発行に絞られる
判断材料は、ハイイールドOAS、投資適格OAS、NFCI、社債発行である。OASが広がり、NFCIも上がるなら、企業金融の制約が価格に入り始めたと読む必要がある。
反対にOASが低位で金融環境指数も落ち着くなら、市場は景気後退より資金環境の持続を見やすい。
信用スプレッドは単独ではなく、NFCIや金融ストレス指数と合わせて確認する。OASだけが小さく動く局面は一時的なリスク調整で済みやすいが、金融環境指数まで悪化するなら、資金調達の制約が市場全体に広がっている可能性が高まる。