まず数字。たしかに高い。でも「誰の」高さか
ソニーグループ株式会社の有価証券報告書ベースで、2025年3月期の平均年間給与は1118万円(細かくは11,183,744円)、平均年齢42.5歳、平均勤続年数15.8年です(出典: キャリアミラサス、キタイシホン、日経企業情報)。直近の推移も2022年3月期1044万円→2023年3月期1084万円→2025年3月期1118万円と、しっかり右肩上がり。数字だけ見れば文句なしの高給企業です。ただ、ここで止まると半分しか見ていません。この「平均年収」が指しているのは、グループ全体ではなく、持株会社『ソニーグループ株式会社』単体の社員だからです。
言われてみれば、の発見。11万人と2000人は別の話
ソニーの連結従業員数は11万2300名(2025年3月末)。一方で、年収1118万円の母集団になっている『単体』の社員数は、二系統あって2212名(キタイシホン)または2445名(キャリアミラサス)。つまり11万人のうちの2%前後、いわば本社の中枢部分だけの平均なんです。言われてみれば当たり前なのに、求人サイトの『平均年収1118万円』という表示からはここが読み取れない。ゲーム、半導体、映画、金融まで抱える巨大グループの全社員がこの額をもらっているわけではない、というのが最初の本音です。
も、本体の話とは限らない
ネットで見かける『ソニーはフルリモート・フレックスで自由』という話も、出どころを見ると本体ではなく子会社の制度です。例えばソニーセミコンダクタソリューションズグループは、コアタイムなしフレックス、裁量労働、リモートワーク、年間休日125日(2025年度)、完全週休2日、水曜のリフレッシュデー、フルリモート社員制度まで公式採用ページに載せています。ただこれはあくまでこの会社の制度。グループ本体の全社共通制度の正式名称や数値は未公表で、子会社の制度をそのまま『ソニーの働き方』とまとめるのは早い、というのが正直なところです。
だから、転職で見るならここ。ダイバーシティの数字は嘘をつきにくい
年収より参考になるのが、ごまかしの効きにくい働き方指標です。男性育休取得率はソニーグループ株式会社79%、ソニー株式会社93%、SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)100%(2024年度)。女性管理職比率は本体20.2%、グループ全体31.6%、男女賃金差異は本体84.4%、2030年までに役員の女性比率・日本以外出身者比率をそれぞれ30%以上にする目標も掲げています。読者として持ち帰るなら、年収ランキングの1社名で判断せず『どの会社・どの母集団の数字か』を一度確認する。子会社ごとに制度も給与水準も別物なので、応募先の正式名称まで見て初めて自分の話になります。
よくある質問
Q. ソニーの平均年収1118万円は、ソニーで働けば誰でももらえる金額ですか。
いいえ。これは持株会社『ソニーグループ株式会社』単体(社員数は2212名または2445名でソース不一致)の平均で、グループ全体11万2300名の水準ではありません。事業会社や子会社の給与は別です。
Q. 平均年収のソースで数字が少しズレているのはなぜですか。
2024年3月期の平均年収が1113万円と1101〜1102万円の二系統、単体従業員数も2212名と2445名の二系統あり、集計範囲や対象年度のズレが原因とみられます【推論】。確定値は有価証券報告書の原本(EDINET)で確認するのが確実です。
Q. フルリモートやフレックスはソニー全体の制度ですか。